~三井住友海上とispace、
初の商業的「月保険」実現に向けて合意~
月の資源を地球に活かす!
「シスルナ経済圏」の挑戦を保険が支える近未来
2022.6.27
読み終わるまで:3分
1,000 人が月に暮らし、1万人が月に旅行する世界を目指す
ニール・アームストロング船長とバズ・オルドリン操縦士の2人の米国人がアポロ11号に乗り込み、人類で初めて月面着陸を成功させたのが1969年。以来、半世紀以上が経過した今、「月旅行」が現実のものとして語られる時代になった。
宇宙ベンチャー企業の株式会社ispaceが推進する、「MoonValley 2040 構想」というビジョンがある。20年後の2040 年代を目標に同社が目指すのは、1,000 人が月に暮らし、年間1万人が月に旅行する世界の実現。地球と月のあいだの空間を意味する、「Cislunar(シスルナ)経済圏」の構築におけるオーケストレーターとなることだ。
実は月には現在、66億トンともいわれる水資源をはじめ、様々な商業的価値を伴う貴重な資源があるとされている。この構想では、シスルナ経済圏において、月の資源を活かすために高頻度・低コストで月面輸送を行うプラットフォームを構築。月面資源のデータマッピングをはじめ、月ビジネスに参入するすべてのクライアントに環境や資源に関する月のデータを提供することを目指している。
さらに、月の水資源からロケット推進燃料を生成する事業パートナー企業とのアライアンスによる、「水素バリューチェーン」の構築などに取り組む壮大なプランも進行中。月と地球を1つのエコシステムと位置付けて経済圏を創出する、「Moon Valley 2040構想」の実現へと歩みを進めているのだ。
月面着陸までをシームレスに補償する「月保険」を提供
50年前には夢だった月との共創共栄が、いまやリアルな資源開発プロジェクトとして確かな足取りを刻んでいる。実は三井住友海上火災保険はすでに、こうした「月開発」への取り組みに積極的に関わってきた。2019年には民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」のコーポレートパートナーに就任し、「月保険」に関する協業を発表。ispace が進める月開発の情報を共有し、三井住友海上がリスク分析を行ってきた経緯がある。
Ispace では2022年の年末をメドに、「HAKUTO-R」のミッション1として、月面着陸ミッションの打ち上げを予定している。この打上げに際して、月遷移軌道上でランダー(月着陸船)が切り離されたあと月面着陸までをシームレスに補償する「月保険」を、2022 年中に三井住友海上との間で契約する予定だ。
未来の月面開発に向けて欠かせない、保険の役割
月面開発という夢の実現を支える「月保険」は、それ自体が新たなビジネスの創出であるとともに、月面市場の形成を後押しする強力な一歩となるものだ。20年後に誕生するかもしれない「月面都市」に向けて膨らむ期待。夢の広がりをサポートしていく確かな存在の一つに保険がある。
Ispace のFounder & CEO である袴田武史氏は、「保険は月面開発にとっても重要な役割を持つもの。打ち上げから着陸までの包括的な保険の実現は、シスルナ経済圏実現に向けた新たな一歩となる」とコメント。未知のリスクに対するソリューションとなり、未来の社会創造への挑戦を支える存在として、これからの保険の役割に期待している。
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