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~日本企業の中国向け電子商取引を支援・中国向け越境ECの出店者補償制度を構築~

脱インバウンドから繰り出す次なる勝負手が、新たな“経熱”を創り出す

2022.3.14

読み終わるまで:3分

コロナ後、越境EC(電子商取引)の市場規模は大きく拡大

出入国在留管理庁が発表した2021年の外国人入国者数は、前年比91.8%減の35万人。減少率は1950年の統計開始以来最大で、66年以来の低水準だった。言うまでもなく、新型コロナウイルスの感染対策のために政府が厳しい水際対策を行ったため。コロナ禍以前に爆発的な成長を見せていた日本のインバウンド消費は、壊滅的な打撃を受けることとなった。

それまでインバウンド消費の主役になっていたのは、まぎれもなく中国からの訪日客だ。日本で爆買いと言われる買い物をして、「政冷経熱」と言われた日中関係は、インバウンドの消失で“政冷経冷”に陥った?…と思われたが、とんでもない。リアルの人流がなくなった反動で、ネット通販に消費は流入。日本から中国市場に商品を販売できる越境EC(電子商取引)の市場規模は今も拡大し、2022年には2兆5,144億円にも上ると予想されるほどの成長を続けているのである(出典:経済産業省「電子商取引に関する市場調査」)。

デジタルスキルを備えた理系人財の新たな活躍の場

EC取引に包括的な補償を提供し、日本企業の中国進出を後押し

中国のネット検索市場で第1位のシェアを有するITの巨人、百度(バイドゥ)。同社の日本法人であるバイドゥ株式会社(以下バイドゥ)は、こうした情勢を踏まえ、日本の企業が越境ECにいっそう参入しやすくなるプラットフォーム「baifenbai」(バイフンバイ)」を立ち上げた。日本の良質な商品を中国人消費者に販売するプラットフォームで、大手に限らず、中小や地方の企業が参画しやすいよう、初期投資を抑えて出店できる利点がある。

ただ日本の企業、とくに地方や中小の企業にとって、海外のプラットフォームへの新規出店にはリスクを感じるのも事実である。そこで三井住友海上はバイドゥとタイアップし、日本企業の中国進出を後押しすべく、越境ECプラットフォームを経由して販売された商品に包括的な補償を提供するスキームを開発した。

バイフンバイで販売された商品に対し、中国における訴訟リスクや商品自体の破損・盗難等のリスクを包括して補償。日本企業がより安心して越境ECプラットフォームへ出店できるよう支援するものだ。たとえば、バイフンバイを経由して販売された商品に、海外PL保険と外航貨物海上保険を包括的に提供。出店企業は個別に保険を手配する必要がなくなり、保険の加入漏れを防げるなどのメリットが得られる。

損害保険×理系人財が生み出すサービスが社会を変える

越境EC取引のリスクヘッジを担う保険の役割は大きい

今はスマホの登場によって、もはや店舗でモノを売る時代ではなくなった。インターネットにつながる環境があることで、どこでもあらゆる時間に自由に買い物をすることができる。しかも今回のコロナ禍で、ライフスタイルに占めるEC利用の比重は一気に向上。実物を見ることなく、画像や動画をスマホで見て、気に入ったらタップするだけでショッピングが可能なのだから当然だ。こうしたEC隆盛の購買様式は、これからさらに拍車がかかるのは間違いないだろう。

出口の不透明なウィズコロナの時代を迎え、インバウンド消費に一定の見切りをつけた企業は、異なるマーケットの強化や市場の掘り起こしへと経営資源を振り向けつつある。海外との新たな“経熱”の時代を見据え、リスクヘッジを担う保険の役割もまた、日本の経済を後押しする強力なエンジンになる。

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URAYOMI

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