~高齢者向け「行方不明時の捜索費用補償」の販売開始~
あなたの大切なおじいちゃんとおばあちゃんを守る、新しい絆のカタチ
2022.2.28
読み終わるまで:3分
高齢者の行方不明の増加は、いまや深刻な社会問題に
同居する祖父や祖母が突然行方不明に…? 超高齢社会の到来を迎え、認知症の患者が増えている今、こんな状況に直面する家族はもはや珍しくない。実際、高齢者の行方不明者数は過去最多を更新し続け、2019年の70才以上の行方不明者数(約23,000人)は、2014年(約15,000人)と比較して約53%も増加。外出して連絡が取れなくなる高齢者の増加は、いまや深刻な社会問題となっている。
もちろん、いわゆる認知症による徘徊といわれるものだけでなく、なかには何らかの事故にあったり、事件に巻き込まれたりするケースも考えられる。高齢者をターゲットにした犯罪も増えており、かつての平穏だった日常はどこへやら。この日本も、様々な不測の事態が懸念される世の中になってしまった。
事件性がないかぎり、警察は積極的には動いてくれない
もしもあなたの家族が、そんなふうにいきなり家からいなくなってしまったらどうするか。まずは警察に届けるのが当たり前だが、事件性がないかぎり、警察は積極的には捜索に動いてくれない。そうやってもたもたしている間に、それこそ事件や事故に巻き込まれないともかぎらない。ほうぼうを探してもどうしても見つからないときには、探偵事務所や興信所といった“プロ”に、捜索を依頼するしかなくなってしまうわけだ。
警察に届けを出すぶんにはもちろん費用は生じないが、探偵事務所などの民間の業者に捜索を依頼する場合は、当然ながら有償となる。その費用は決して安くはないけれど、それでも大事な家族の身の安全には変えられない。一刻でも早く行方不明の現状から救い出すために、捜索依頼を実行に移す人が増えているのである。
万一のためのセーフティネットを社会に用意することが必要
三井住友海上とあいおいニッセイ同和損害保険は、こうしたリスクへの備えとして、被保険者が行方不明となった場合の捜索費用を補償する保険特約を共同で開発、2021年7月から販売を開始した。この特約は、両社が販売する70才から80才代の方向けの傷害保険に付帯されるもので、被保険者が行方不明となり、警察署に行方不明者届が受理された日の翌日午後12時までに発見されなかった場合に、保険契約者が捜索活動のために要した費用を上限金額(50万円)内で補償する内容となっている。
認知症を防ぐには、効果的な運動や人とのコミュニケーションの機会を保つことが必要と言われ、その意味では積極的に家の外に出ていくことを求められる側面がある。つまり高齢者の社会参加を促すことが、本人の健康寿命を延ばしていくことにつながるわけだが、それが同時に、外出による行方不明リスクを高めてしまう皮肉な状況を生んでいるともいえる。だからこそ、万一のためのセーフティネットを社会に用意していくことが必要で、こうした保険特約がもたらす意味は小さくないのだ。
超高齢社会の到来とともに、認知症リスクはこの先どの家族にも関連していく、避けては通れない問題である。医療機関や福祉施設を頼るばかりでなく、個々の家族が在宅で適切なケアと支援を行わなければならないという社会命題は、今後いっそう大きくなる。そのために損害保険業界ができることは、きっと多くあるはずだ。
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URAYOMI
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