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膨大なドラレコ画像により、

自治体の道路インフラ整備の費用対効果を最大化する

2021.12.13

読み終わるまで:3分

どうする!? 道路の老朽化や、生活道路の損傷が多発

東京・吉祥寺や北海道三笠市で、長さ約10メートルにおよぶ道路が陥没したニュースが相次いだ。現場を伝える画像や映像を見て、ふだんの生活道路に大きな穴が開いた姿に驚いた人は多いだろう。ここまでのものではないにしろ、実は2019年度の国土交通省の調査(「道路の陥没発生件数とその要因」)によると、報告されているものだけでも全国で年間9,163件の道路陥没が起きている。

道路の維持管理については、その老朽化や、多発する災害による道路損傷への対応の増加とともに、維持管理に従事する建設業就労者の高齢化や担い手不足などの課題があり、早急な効率化や作業の高度化が求められている。加えて、全国の自治体が行う道路の点検や管理業務には、高額な点検車両や専門職員の目視確認が必要になるなど、コストの増加や人員の不足といった課題が生じているという。

こうした状況を背景に、2020 年5月、国の「国道(国管理)の維持管理等に関する検討会」において、次のような中間とりまとめが提言された。「限られた人員・予算の中で道路の安全・安心を確保し、道路サービスレベルの維持・向上を図るために、進展が著しい ICT(情報通信技術)等の新技術の積極的な活用、地域や民間等との連携促進により維持管理の高度化・効率化を図る」。なかでも強調されたのが、 ICT に着目した先進的な取り組みと、 DX(デジタルトランスフォーメーション)を導入した道路の安全・安心の確保である。

どうする!? 道路の老朽化や、生活道路の損傷が多発

地域企業と連携した自治体DXの推進で事故リスクを減らす

地域企業と連携した自治体DXの推進で事故リスクを減らす

2021年10月、あるサービスの開始が発表された。三井住友海上の自動車保険に付帯するドライブレコーダーにAI画像分析技術を搭載し、その映像から得られるデータを活用した道路点検の支援サービスだ。名付けて、「ドラレコ・ロードマネージャー」。全国の自治体や道路修繕事業者に対して、道路などのメンテナンスを支援する新たなICTサービスである。

その仕組みはこうだ。自動車保険加入に伴って設置された大手小売事業者や物流事業者車両のドライブレコーダーから、広域な路面状態のデータを自動的に収集し、AIが道路損傷箇所を検出して地図上に可視化する。AIが検出した損傷個所はマップ上で「見える化」され、クラウド上で一元管理できる。それによって従来のような点検走行や目視確認を行うことなく、路面状態の迅速な把握や、道路点検・管理業務の効率化が可能になるわけだ。

各地域のさまざまな企業の車両に設置されたドライブレコーダーのデータを活用することで、広範囲の路面情報を把握することができる新たな仕組み。地域企業と連携した自治体DXを推進し、事故リスクをもたらす危険な道路損傷の早期修繕につなげることで、SDGsの達成と安全なまちづくりを支援していくことにもなる。

そもそもこうした仕組みが実現できたのも、自動車保険に専用ドライブレコーダーを付帯するサービスを組み合わせた損害保険商品の開発があったから。つまりは保険の中身を、社会インフラを守るために有効活用していけることを示した実例でもあるわけだ。保険がもたらす価値は、DXによる未来型の技術とリンクすることで、社会に新たなイノベーションをもたらす原動力となる。

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URAYOMI

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