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知ってるようで知らない「サイエンティスト」の仕事とは

~データ分析の力が暮らしのリスクを取り除く~

2021.12.8

読み終わるまで:3分

ビッグデータやAIを駆使してリスク対策を実施

「サイエンティスト」という仕事を知っているだろうか。直訳すると、科学者、とくに自然科学者のことを指す。加えて「データ・サイエンティスト」という仕事もある。これは様々な事柄や局面において、データにもとづいた合理的な判断が行えるようサポートする人のこと。ビジネスとITどちらの世界にも精通する専門スキルが求められる職務といえる。

損害保険の提供価値は、「事故発生時の補償」だけではない。「事故を予測し発生させない」「事故が発生した時の影響の最小化」も大事な要素。そのカギを握るのが、「データ分析」である。たとえば三井住友海上では2021年度から、「RisTech(リステック)」というデータサービスを新たに開始している。ビッグデータやAIを駆使してリスク対策を講じるRisTechは、データ・サイエンティストにとって魅力的かつ将来性のあるビジネスである。

RisTechはデータを駆使して企業のリスク分析を行い、問題の解決へと導くことが主な役割で、扱う業界データは実に多種多様だ。たとえば小売企業なら、店舗の壊れやすい設備をどう発見するか、壊れ方にどんなパターンがあるかをデータ分析して情報を提供する。実際に設備故障がどれほど減ったかは、たとえば企業の保険契約で支払った保険金からすぐに分かるので、データ提供のレスポンスも早いのだ。

ビッグデータやAIを駆使してリスク対策を実施

保険業界のデータ・サイエンティストだからできること

こうしたデータサイエンスを活用したサービスが社会貢献にも直結した事例として、警察庁のオープンデータを利用して、全国の交通事故を未然に防ぐために行ったデータ分析がある。警察庁からオープンデータとして公開された2019年の交通事故地点のデータをもとに、日本全国の事故状況を可視化した独自マップを作成した。

三井住友海上は保険会社であることから、ドライブレコーダーを通じた事故と被害のデータを持っており、そこからリスクを分析し改善策を考えることができる。そこに警察庁のオープンデータを使ったことで分析の幅がより広がり、事故状況を示すリアルさが増した。実際にマップを見ると、自分の住むエリアなどの過去の事故発生状況が一目瞭然で、車を運転する際や普段の生活圏で注意すべきポイントがいっそう分かるものになったのだ。

データ・サイエンティストは、常にいろいろなデータに触れたいと考える個性があり、多くの可能性を探って自分のスキルを伸ばしたいと思う、ある意味で“わがまま”な存在だ。三井住友海上はあらゆる業界・職種のデータを扱って様々な課題と向き合えるので、そんな“わがまま”な思いにも十分に応えることができる。

社会の様々なテーマに対し、データをどのように分析して、「どのように人を動かすか」というストーリーを考えることも、今後のデータ・サイエンティストとしての大切な要素となる。保険業界ならではの幅広くユニークなデータを扱い、データ分析の第一人者として多くの経験を積みながら、データ・サイエンティストが社会で果たしていく役割は、これからいっそう大きくなっていくに違いない。

保険業界のデータ・サイエンティストだからできること

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URAYOMI

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