コロナ禍でも高出社率の中小企業。
Zoomは浸透したのか
~中小企業のDXはここから~
2021.11.11
読み終わるまで:3分
テレワークとともに、Zoomは爆発的な広がりを見せた
少し前なら、Zoomと聞けば、「どんなレンズ?」などと返す人も多かったのでは? それが今や、小学生でも「明日の授業はZoomだよ」なんて澄ました顔で言ってくる。コロナ禍で変わった生活スタイルの一つが、Zoomに代表されるオンラインミーティングの活用。自宅でのテレワークを余儀なくされる中で、ビデオ会議ソリューションのサービスは爆発的な広がりを見せた。
Zoomなどの活用によって、毎日のように会社に行く必要はなくなった。同時に、テレワークにはたくさんのメリットがあることを知った。通勤のストレスがない、通勤時間を別のことに使える、同僚と無駄話をしないので仕事の効率が上がる、昼食代が節約できる……。それを可能にしてくれるZoomという便利ツール。今までどうして使わなかった!? と後悔する人は少なくないだろう。
大企業と中小企業とのテレワーク導入のギャップ
コロナ禍で間違いなくZoomは浸透し、政府も緊急事態宣言中は「出社率7割減」を目標に掲げて出社の制限を要望してきた。でも実際に、世の中のビジネスマンの多くがそうしたテレワークの恩恵に授かっているのだろうか?
2020年10月に総務省が発表した「テレワークの最新動向と総務省の政策展開(令和元年通信利用動向調査報告書)」を見ると、大企業と中小企業の取り組みの差が歴然であることがわかる。従業員2,000名以上のいわゆる大企業では、テレワークの導入率は60%超。その反面、従業員数300名未満の中小企業では15.1%と大きなギャップがあるのだ。
そこには、いろんな理由がある。中小企業に多い製造業やサービス業、運輸業などは、実際に人が現場で対応する仕事のため、在宅勤務は難しい。また中小企業は大手に比べて社員数が少ないため、現場で人が欠けると他の社員にしわ寄せがいってしまう。またテレワークに必要な、勤怠管理に関するシステム導入がネックになった企業も少なくない…云々。
DX導入による業務改革やビジネスモデル転換の好機
そうした現状を、どう打開するか。人をすぐに増やすのは難しい。ならば、新しい仕組みを導入することで、マンパワーの補填を図ればいい。デジタル化やICTの活用はもちろんのこと、AIやIoTなどのテクノロジーを導入し、業務特性そのものを変えていくことを考えるべき。いや、ウィズコロナに備えたテレワーク推進のためだけではない。それが、多くの中小企業にとっての新たな事業の創造力につながるからだ。
実際、今回のコロナ禍に対応すべく、社内の業務改革やビジネスモデルの転換をはかった企業の多くは、勝ち組に名を連ねている。大企業のみならず、中小企業でもDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を加速させた会社は少なくない。今の転換期を乗り切るには、DX導入による生産性の向上や、新しいサービスへの転換が欠かせないのだ。
三井住友海上火災保険はこのほど、米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズの日本法人・ZVCジャパンと包括連携協定を締結。Zoomを活用した、中堅・中小企業のDX支援などで協業する取り組みを進めていくことを決めた。
コロナ禍によって、企業を取り巻く様々な環境が様変わりした現在。テレワークの導入格差という実態が表面化したことで、大手企業と中小企業のITリテラシーの差も浮き彫りになった。けれども、実はDXという刷新は、中小企業ほど導入しやすいことも事実なのだ。中小企業は大手に比べて事業や組織が複雑でないため、新しいことに着手しやすく成果も出やすい。今回のZoom を活用したDX支援が、そのきっかけになる期待は大きい。
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URAYOMI
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